この記事にたどり着いている方は、どんな方でしょうか。
わがままを言う子どもに腹を立てていたり、教育に関心のある方だったり、実際に先生の方かもしれません。
私自身、以前の職場が児童相談所というところで勤務しており、非行している子や、ネグレクト、虐待といった子どもたちと生活していました。
その指導する中で、どうしても子どもに叱ってしまう場面があり、怒る自分と、心が離れていく子どもに悩んでいる時期がありました。
自分は”先生”として携わっていたので、”親”として毎日子どもと接するというのは、本当に大変なのだと思います。
親であれば、周り目も気になりますよね。今の時代、何が虐待と捉えられるかわかりませんし。
だからこそ、多くの子どもたちと話をする中で感じた”怒ってしまう”感情を分析しながら、対処の方法について考えていきましょう。

怒った先に何があるのか考えてみる
怒られた子供の反応は、大きく分けて3種類ある
例えば、子どもが万引きしてきたことに関して、「なんでこんなことをしたの!!」と強く叱りつけたとします。
万引きは当然いけないことなので、しつけをする必要があると思います。
上記の怒鳴りつける言葉を浴びせた場合こんな反応をするのではないでしょうか。
①親を恐れるようになり、親の様子をうかがう子どもになる
②子ども側も反発し、親子喧嘩に発展する
③隠れて万引きを行い、ばれなければ良いという結論になる
反応は十人十色なので、大まかに分類した場合においてのまとめです。
そうなんです。子どものためを思って注意したとしても、思うように伝わらないこともあります。
ここで一つ、強く言えることは、「怒る目的は上の3項目のような子どもに育てるためなのか」ということです。
おそらくほとんどの親御さんは、首を横に振るのではないかと思います。
では、ここで質問です。
子どもに怒る目的は何ですか?
ここで、少しスクロールを止めて10秒考えてみてください。

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考えられましたか?
自分は、しつけをするために怒るのだと思っています。
では、”しつけ”とは何のためにするものなのでしょうか。
しつけ(躾・仕付けまたは仕付)とは、人間社会・集団の規範、規律や礼儀作法など慣習に合った立ち振る舞い(規範の内面化)ができるように、訓練すること。概念的には伝統的な子供への誉め方や罰し方も含む。ドイツ語では、しつけのことを、die Zuchtというが、これは人に限らず動物(家畜)の調教、訓練の意味もあり日本語のしつけと同じである。
Wikipediaより
つまるところ、しつけたるものは、”集団の中でうまく立振る舞えるようにすること”ですよね。
人は、一人では生きていけない生き物なので本当にしつけは大事なことだと思います。
まとめると子どもの成長のためにするものですよね。
でも子どもの成長の目的って何でしょう?
それは、子どもが幸せな人生を歩むためにあるものではないでしょうか。
幸せな人生を歩んでもらうために必要なこととも言えます。
だから、しつけというものが存在するんですね。
さて、ここまで考えたうえで、最初の万引きの注意の仕方は、目的に沿たものだったのでしょうか?

陥ってしまいがちになる思考
ついカッとなった感情で叱ってしまった
これ後になってから気付くんですよね。自分も、指導していた時後になってから、あの時目の前の子どもに何を考えてほしかったのか見失ってしまっていたことに気づくことがありました。
自分では、感情をコントロールでいていると感じていても、威圧で言い聞かせる教育は多いです。
先生でもいますよね。子どもにナメられては駄目だから、大きな声で叱る方。
話す前に深呼吸。これだけでも落ち着いて話せるかもしれませんね。
自分も親にこう育てられていたから
確かに、自分の教育された環境が、自分の教育環境に大きく影響を及ぼします。
でも、同じ言葉を自分の子どもが大人になったときに、わが子に対して「自分もこう育てられたから」と言っている姿を思い浮かべてみてください。
人のせいにする人の子どもは、人のせいにして育っていきます。
教育環境は本当に、影響が強いものです。
暴力を振るわれていた環境下で育ったら、暴力で解決しようとします。
暴言の飛び交う環境下で育ったら、暴言を吐きながら子育てをするでしょう。
しょうがないで済まさず、自分の世代でその流れを食い止めれたら、それは本当に尊敬すべき親だと思います。
100%子どもが悪かったから
用意した料理を投げた。故意的に、モノを壊した。お金を取った。
100%子どもが悪いこと。あると思います。
完全に子どもが悪いことであっても、「何してるねん!!」と怒るのは、目的を失ってしまっているように感じます。
子どもの悪さには、ちゃんとした理由があります。
こういう時こそ、向き合って話をしたり、子どもの行動を観察すると、メッセージが見えてくるかもしれませんね。
周りの目があるから
だから、親として「しつけがなっていないわ」と思われたくないから、叱る。
他人に迷惑が掛かっているのであれば、しっかりと謝罪する必要があると思います。
ですが、”周りの目があるから”という理由で叱ってしまうと、目的が”他人からしつけをしっかりしていると思われたい”になってしまいます。
指導員の時も同じでした。
周りの指導員に”しっかり指導しているな”と思われたい。
恥ずかしながら、そのような考えで指導してしまっている時期がありました。
そして、その時期は勤務史上、一番子どもたちからの信頼がなかった時期でした。
子どもの感性は本当に敏感です。
信頼してもらえる大人を目指したい。
わがままを一度認めてしまうと、そのあともっとわがままになっていくから
これすごくわかります。
お菓子買って!を一度認めると買ってもらえなかったときにかんしゃくを起こします。
だから、「買いません!」と突き放す言い方もあれば、余裕がある家庭は、どんどん買い与えていたりしますよね。
でも今までの事例を全て思い出してみください。
目的から、少しずつ伝えたいことがずれていませんか?
さて具体的に目的を考えていきましょう。

子ども側の事情の場合
まずは、子ども側に非があるときについて
例えば、子どもがゲームの時間の約束を守らないとします。
陥ってしまいそうな思考
↓
ゲームばかりしていていうことを聞かない
↓
いうことを聞かないことに対して腹が立つ
↓
勉強してほしい
↓
声掛け「勉強しなさい!!!」
これはすごくありがちですよね。
目的を思い出すと…
幸せな人生を歩んでほしい
↓
勉強すれば将来の選択肢が増える
↓
だから、ゲームばかりではなく勉強やほかのことにも関心を持ってほしい
↓
ゲーム以外の選択肢を提案してみよう
↓
声掛け「このゲームはどんなところが面白いの?」
となります。これっは、自分の流れなので、
是非、自分の中でゴールの”幸せな人生を歩んでほしい”というところから逆算して考えてみてください。
ちなみに、叱ってしまった場合
↓
ケンカになってしまう
↓
ゲームする時間をもっと減らす
↓
取り上げる
↓
親子関係がぎくしゃくしてくる
みたいなことになるかもしれません。

大人側の事情の場合
次は、大人側に非があるときについて
例えば、緊急の仕事が入ってしまい、子どもと約束を守れないとき
陥ってしまいそうな思考
↓
仕事はしょうがないよな…
↓
どうしようもないから我慢してもらおう
↓
声掛け「また今度」
この言葉、親にとっても悪い気持ちがありますよね。
自分も仕事をする身なので、どうしようもない時があります…。
目的を思い出すと…
幸せな人生を歩んでほしい
↓
だからこそ、子どもとより多くの時間を過ごしたい
↓
その素敵な思いを伝えることが先ではないですか?
↓
声掛け「楽しみにしていてくれてありがとう。楽しみだったよね。」
これも自分なりの、答えになります。
一つの事象であっても、何百と答えがあると思うので、よければ考えてみてください。
ちなみに、「また今度ね」だけ伝えた場合
↓
親は嘘をつく人なんだ
↓
約束は守らなくてもよい時がある
↓
約束を破る
↓
親子関係がぎくしゃくする
みたいなことになるかもしれません。

まとめ
今回は子どもの”わがまま”への考え方について書いてきました。
記事を簡単にまとめておきます。
怒る目的を考えて子どもにしつける
何となくしつけていては、関係が悪くなってしまうことが多い。
しつける目的は、子どもに幸せな人生を送ってほしいから。
陥ってしまいそうな思考
①かっとなった感情で叱ってしまう
②自分も親にこう育てられたから
③100%子どもが悪いから
④周りの目があるから
⑤わがままは、次の時がめんどくさいから
どちらに非があっても、目的は【幸せな人生を歩んでほしい】
ここまで読んでくださりありがとうございます。
是非一度、目的をもって声掛けしてみてくださいね!!
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